「1つ買ったら1つ捨てる」
ミニマリズムに興味がある人なら、一度は聞いたことがあるルールではないでしょうか。
これは「ワンイン・ワンアウト」と呼ばれる考え方です。新しい物を1つ迎えたら、同じ用途の物を1つ手放します。
結論から言うと、僕はこのルールを基本的におすすめしています。
理由は、好きな物やこだわりのある物ほど、無意識に増えやすいからです。
ただし、何でも機械的に捨てればよいわけではありません。必要な物まで手放すと、かえって生活が不便になります。
この記事では、ワンイン・ワンアウトのメリットと欠点、ゲーム・本・事務用品を例にした実践方法、例外の考え方を紹介します。
リュール「1つ捨てる」って、けっこう厳しいルールに聞こえます。好きな物まで減らす話ですか?



違うよ。好きな物を我慢するためではなく、楽しみ続けるためのルールなんだ。その考え方を順番に説明するね。
好きな物への執着は、悪いことではない
ここで、僕の考えを伝えておきます。
僕は、好きな物へのこだわりや執着そのものを悪いとは思っていません。
人には、それぞれ強く心を引かれる物事があると考えています。それをすべて否定する必要はありません。
合理性や生産性だけを追い求めて、好きな物まで手放すと、暮らしは少し味気なくなるはずです。
問題は、好きなこと自体ではありません。「好きだから」という理由だけで、必要以上に物が増えることです。
ワンイン・ワンアウトは、好きな物を否定するルールではありません。好きな物を、管理できる範囲で楽しむための仕組みです。
ワンイン・ワンアウトとは?基本の考え方
ワンイン・ワンアウトの基本は、新しい物を1つ買ったら、同じ用途の物を1つ手放すことです。ただし、必要な物まで無理に処分する必要はありません。
たとえば、次のように使えます。
| 新しく購入する物 | 見直す物 |
|---|---|
| 新しいゲームソフト | 遊ばなくなったゲームソフト |
| 新しい本 | 読み終えて、手元に残す必要がない本 |
| 新しいシャツ | 着なくなった、役割が重なるシャツ |
| 新しいバッグ | 役割が重なっている古いバッグ |
大切なのは、物の総数を合わせることではありません。同じ用途や役割の物を見直すことです。
新しいゲームを買った代わりに関係ない文房具を捨てても、ゲームの増加は防げません。同じカテゴリーの中で数を意識するから、管理しやすくなります。
持ち物全体を把握する方法とは異なり、ワンイン・ワンアウトは新しい物を購入するときの判断基準として役立ちます。
買うときのルールだけでなく、今ある持ち物を把握することも大切です。持ち物全体の管理方法については、「ミニマリストの持ち物管理術」で紹介しています。


ワンイン・ワンアウトのメリットと欠点
メリット1:買う前に立ち止まれる
一番のメリットは、買い物の前に一度考える時間が生まれることです。
新しい物が欲しくなったら、こう自分に聞きます。
「これを買うなら、今ある何を手放すだろう?」
手放せる物が見つからなければ、本当に追加で必要なのかを考えるきっかけになります。
逆に、置き換えたいなら、買う理由がはっきりします。
メリット2:好きな物が無意識に増えるのを防げる
こだわりが強い分野ほど、「好きなことに使う物だから」と購入を正当化しやすい面があります。
たとえば、瞑想に集中したい人が、耳栓やアイマスクを次々と買う場面を想像してみてください。ヨガが好きな人が、マットやウェアをそろえたくなる場面でもかまいません。(これはあくまで仮の例です)
必要なら買っても問題ありません。ただ、数の上限や置き換えのルールがあれば、増え方に歯止めがかかります。
欠点:機械的に当てはめると不便になる
一方で、欠点もあります。
- 使用頻度は低くても、必要な物まで手放してしまう
- 手放した物を、後で買い直す手間や費用が生じる
- ルールを守ること自体が目的になってしまう
また、このルールを守っても、物が絶対に増えないとは言えません。あくまで増えにくくするための仕組みです。



メリットだけじゃなくて、欠点もあるんですね。



うん。だから「ルールを守る」より「自分の暮らしに合わせて使う」ことが大事なんだ。
僕がワンイン・ワンアウトを意識する3つの場面
僕の場合、特に物が増えやすいと感じるのは、ゲームや本などの娯楽用品と事務用品です。
ただし、3つとも同じ方法で管理できるわけではありません。
1. ゲーム:手元に残す数を決める
僕はゲームが好きなので、手元に残す数を決めています。
一度に遊べる作品は限られます。たくさん持っても、遊ばない作品が出て、いわゆる「積みゲー」になります。
数を絞ると、少数の作品に集中しやすくなります。新しい作品が欲しくなったら、今あるゲームに手放せるものがないか考えます。
もちろん、何度も遊びたいお気に入りまで手放す必要はありません。大切なのは、自分が管理できる数を決めることです。
2. 本:紙の本を楽しみつつ、増やしすぎない
僕は、電子書籍より紙の本を選ぶことが多いです。家では静かに、じっくり読みたいからです。
ただ、気になる本を次々と買えば、本棚はすぐに埋まります。
新しい本を買う前に、読み終えた本を見直します。何度も読み返す本や、繰り返し参照する本は残します。十分に楽しんで、今後読む予定がない本は、手放しを検討します。
手放す方法の一つがメルカリなどのフリマアプリです。次の購入費用に充てられる場合があります。
ただし、販売手数料や送料がかかり、出品や梱包、発送の時間も必要です。送料や手数料を差し引いても十分な売却額が見込めるなら、個別出品を検討できます。手間を減らしたい場合は、中古買取店でまとめて売る方法もあります。自分の負担に合う方法を選びましょう。



読み終えた本は、全部手放したほうがいいんでしょうか?



そんなことはないよ。何度も読みたい本は残していい。数を減らすことより、残したい本を自分で選ぶことが大事だと思うんだ。
3. 事務用品:機械的に当てはめにくい
一番難しいと感じるのが事務用品です。
少なく持ちたいと思っても、ホッチキスや黒い油性マジックのように、突然必要になる物があります。
使ったあと、しばらく出番がないこともあります。そこで機械的にワンイン・ワンアウトを当てはめて処分すると、後日また買い直すことになりかねません。お金の面でも、資源の面でも、よい方法とは言えないと思います。
そこで、一定期間を置いて判断します。たとえば、半年から1年使わなかった物は、必要性を見直す。ただし、これは絶対的な基準ではありません。年に一度しか使わなくても必要な物はあります。
使用頻度だけでなく、再購入のしやすさ、価格、保管スペースも合わせて考えましょう。



あまり使わない文房具でも、残してよい場合があるんですね。



うん。物によって判断を変えていいんだ。必要な道具を何度も買い直すほうが、かえって非効率だからね。
例外にしたほうがよい物
次のような物は、ワンイン・ワンアウトの対象から外すか、別に考えるほうが安全です。
- 使用頻度は低いが、必要なときに代わりが利かない物(事務用品など)
- 防災用品や消耗品など、一定量を確保しておく物
- 再購入に手間や費用がかかる物
迷ったときは、すぐに処分せず、一定期間保留してから見直す方法もあります。
ワンイン・ワンアウトを無理なく続けるコツ
1. 同じ用途の物を対象にする
シャツを買ったらシャツを、バッグを買ったらバッグを見直します。役割が重なる物を選ぶと、必要以上に同じ物を持つことを防げます。
洋服については、1着増やす前に手持ちの服の役割を整理しておくと判断しやすくなります。少ない服で生活する考え方は、「ミニマリスト男性の服の枚数と選び方」でも詳しく紹介しています。


2. 手放せる物がないときは、購入を再検討する
新しい物が欲しいのに、今ある物をどれも手放したくない場合があります。
その場合は、すぐに買わずに、本当に追加が必要か考えてみましょう。明確な必要性があれば、買い足してかまいません。ワンイン・ワンアウトは、買い物を禁止するルールではないからです。
3. ルールを守ること自体を目的にしない
ミニマリズムは、物の数を減らすことだけではないと思います。趣味の道具が多くても、自分で管理できて、十分に使っているなら問題ありません。
反対に、好きだからという理由だけで買い続けているなら、一度立ち止まる価値があります。
まとめ:好きな物を楽しむために、増やし方を決めよう
ワンイン・ワンアウトは、基本的におすすめできる考え方です。特に、趣味や好きな物のように、つい買い足しやすいカテゴリーで役立ちます。
実践するときは、次の3つを確認してみてください。
- 同じ用途の物で、手放せる物はあるか
- 手放せないなら、本当に追加が必要か
- 手放した後に、買い直す可能性が高い物ではないか
この3つを確認するだけでも、持ち物が無意識に増えるのを防ぎやすくなります。
好きな物を我慢するためではなく、気持ちよく楽しみ続けるために使う。 それが、僕にとってのワンイン・ワンアウトです。









